ゲンゴロウのパリ日記

くまのゲンゴロウが,一年間のパリ生活を綴るブログ。

そしてルーアンへ

こんにちは、ゲンゴロウです。

ジャンヌ終焉の地、ルーアンに来ています。

ここは、中世の面影を色濃く残していることでも名高い街。

さっそく街をご案内しましょう。

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目抜き通りには、街の名物、大時計。

ヨーロッパでもっとも古い時計の一つで、

14世紀から一度も止まることなく、時を刻んできたとのこと。

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大時計通りを抜けると、見えてきました。

ルーアンのシンボル、大聖堂です。

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これがモネの連作に描かれた大聖堂。

勇姿に圧倒されながらも、繊細な彫刻に心が震えました。

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まるでレース細工を見ているよう。

素材が石であることを忘れてしまいそうです。

モネが連作を試みるほどに魅入られたわけが、

ぼくにもわかるような気がしました。

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この街には、中世の大墓地の跡も残っていると聞きました。

ちょっと怖いけど、訪ねてみましょう。

この暗い通りを抜けた中庭がそうらしいです。

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ここが、かつての大墓地。

今では普通の中庭で、一見したところ、

当時を偲ばせるものは何もありません。

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だけど、よく見ると、周囲の回廊には、ドクロや死神の鎌が。

「メメント・モリ」ということなのでしょうか。

とはいっても、ガイコツもなぜか可愛らしくて、ユーモラス。

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でも、ルーアンの街から連想される死は、

やはりジャンヌ・ダルクの火刑ではないでしょうか。

これは、イギリス軍の手に落ちたジャンヌが幽閉されていた塔です。

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裁判の結果、異端者とされたジャンヌは焚刑に。

それから500年の後、彼女は聖女に列せられました。

今では、ジャンヌの最期の地に、十字架と教会が聳えています。

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教会は、その名も「聖ジャンヌ・ダルク教会」。

外観や室内の天井が船舶を連想させる近代建築で、

1970年代の真新しい建物ではありますが、とても魅力的です。

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ちなみに、なぜ船舶かというと、ルーアンの街を拓いたのがヴァイキングだから。

そういえば、大聖堂内部にも、ヴァイキング船の模型が飾られていました。

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ステンドグラスは、ルネサンス期の傑作で、500年前のものとは思えない精巧さ。

大戦前、空爆に備えて、当時の人々が古い教会から救い出したものだそうです。

文化財を守ろうとするフランス人の心意気には、頭が下がります。

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ルーアンにゆかりの人物は、ジャンヌだけではありません。

意外に多いのが、文学関係者。

劇作家として名高いコルネイユの生家も、この地にあります。

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内部には、コルネイユ関係の資料が展示されています。

初版本をはじめとする蔵書も、ギッシリと並び、壮観です。

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写実文学の傑作『ボヴァリー夫人』の作者、

フロベールの故郷でもあります。

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こんな土地柄を反映してか、駅前にはこんなものが・・・。

「読み終えた本を置いて、かわりにお好きなものを、お持ちください。

感動を分かち合いましょう」。

街の無人図書館、といったところでしょうか。

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旅の記念に、街の素敵な雑貨屋で、筆箱を買いました。

ぼくのフランス滞在も、あと4ヶ月。

この筆箱でラストスパートだ!

また、お便りします。

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